THIS IS HOW WE CREATE No.007 DryFace RAIN JACKET & DryTouch SHORTS
雨の気配がするトレイルに足を踏み入れるとき、ザックの中にレインジャケットがあるという安心感は、何ものにも代えがたいものです。
けれど同時に、多くの方が知っているはずです。雨を防いでくれるはずの一枚が、いつのまにか内側から濡れていく、あの感覚を。
HERENESSはブランドの始まりから、ウールのTシャツや〈SUGARCANE SHORTS〉、〈FOCUS CAP〉を通してトレイルのレースをサポートしてきました。それでも、山の必携品であるレインウェアだけが、長いあいだラインナップに欠けていました。それは命を守るアイテムとして、徹底的にこだわりたかったから。そして今回ようやくかたちになった〈DryFace RAIN JACKET〉と、汗をかく季節のために織りから考え直した〈DryTouch SHORTS〉。ふたつの新しいアイテムについて、MDの八日囿が事業部長の神谷に聞きました。
生地選びに、二年
八日囿
ブランド立ち上げからのウールTシャツや〈SUGARCANE SHORTS〉、〈FOCUS CAP〉。HERENESSのアイテムは、トレイルのレースでこれまでも目にしてきました。そしてこのタイミングで本格的なレインジャケットを開発した。この、いちばんの狙いを教えてください。
神谷
どうしても必携品であるレインウェアの開発にはすごく時間がかかって、ようやくリリースできたアイテムなんです。生地選びがすごく難しくて、そこに約二年ほど時間をかけています。
八日囿
二年!前から欲しいと言い続けていたアイテムだと思いますが、ようやくという感じですね。レインウェア特有の蒸れや、肌への貼り付きを解消するために、素材選びでポイントにしたところはどこですか。
神谷
トレイルランナーとハイカーでは、レインウェアに対して気にするポイントが少し違うんです。トレイルランナーがいちばん気にされているのは、雨を防ぎながらも行動をし続けられること。つまり「蒸れない」ということを、いかに実現するかを最初のテーマに考えていました。ただ、蒸れない=透湿性と防水性は相反する機能なので、そのバランスをどう取るかを考えた末に、この素材にたどり着きました。
レインウェアは撥水性が大事
八日囿
軽さと生地の質感も、相反しがちな部分だと思います。そのあたりはどうでしょうか。
神谷
生地のスペックでいうと、耐水圧や透湿性が何万といった数値を気にされる方が多いと思います。独自素材である〈DryFace〉は耐水圧25,000mm / 透湿度25,000g/m²/24h(JIS L 1099 B-1法)と高いスペックを誇ります。Mサイズで180gと軽さも驚くほどです。
でも私たちがまず大事にしたのは、撥水性なんです。レインウェアは数値上のスペックがいくら高くても、表面の生地に雨が染みてしまえばシールドのようになって、そのスペックを十分に活かすことができません。ここは結構、見落としがちなところです。
〈DryFace〉は、環境に配慮したC0(フッ素フリー)撥水でありながら、100回洗濯した後も撥水3級という高い能力を維持します。
しっかりとお手入れしていただければ、いつまでも頼りになるレインウェアなんです
こだわりのダブルジップ
八日囿
デザインのディテールやシルエットでこだわったポイントはありますか。
神谷
ザックの上からそのまま着る方もいるので、ザックを背負ったままでも羽織れるように、身幅は少しゆったりとしたシルエットにしています。フードには、風が強いときに飛ばされないよう、こめかみのところにドローコードをつけました。仮にキャップやハットを被っていなくても、きれいに頭にフィットしますよ。
八日囿
ポケットが片方だけ、というのも珍しいデザインだなと思いました。
神谷
トレイルランのザックを背負っていることを想定しているので、レインウェアはあくまでミニマムにしたかったんです。それでも、ちょっとしたものを入れる場面はあるので、必要最低限としてひとつだけつけています。
また、風が入らないように裾は全部パイピングすることが多いんですが、全部巻いてしまうと水を吸って重くなる。だから表側になるところはパイピングをなくす、といった細かな調整をしています。

ダブルジップも、これまでのレインウェアは上側を開けてベンチレーションにするしかなかったけれど、下だけ開けたい場面があったので組み込みました。細い止水ファスナーでかつダブルジップという仕様です。薄手の生地でダブルジップというのはなかなか流通していなくて、目立たないところですが、すごく機能的な部分だと思います。
八日囿
下から開けられるのは本当に便利ですよね。走っているときに上から開けると、肩から脱げてしまう感じがある。下から開ければ広がりすぎず、走りながらでも調整できます。これから梅雨に入っていきますが、普段使いもしやすそうな一枚だと思います。
貼り付かないために、織りから変える
八日囿
続いて〈DryTouch SHORTS〉です。定番の〈SUGARCANE SHORTS〉があるなかで、新たにラインナップに加えた理由を教えてください。
神谷
もともと〈SUGARCANE SHORTS〉には股下が短いモデル(SUGARCANE SHORTS SIX INCH ※現在は終売)があって、トレイルのレースや本格的に走り込む方に向けて開発していました。ただ、大量に汗をかいたときに生地が肌に貼り付く、というフィードバックをお客さんからいただいていたんです。それなら生地から変えてみようと、この素材を見つけて開発しました。
八日囿
二重織りという構造が、どう効いているのでしょうか。
神谷
本格的なランニング向けのショーツをつくるとき、ほかのメーカーは肌面に撥水加工をしたり、パターンを工夫したり、いろいろなアプローチをしています。私たちは、二重織りという生地そのものの組成によって肌面に凹凸をつくることが良いと考えました。この凹凸が貼り付きを軽減してくれます。さらに生地自体にも撥水加工をしているので、構造と加工のふたつで、貼り付きをなるべく軽減するようにしています。
短すぎず、動きを妨げず

八日囿
シルエットについても教えてください。新しいパターンを採用していますが、丈やサイドスリットのこだわりはありますか。
神谷
股下はMサイズで4.5インチほど。短すぎず、ただ動きを妨げない丈にしています。スリットは深めにつけました。レース向けのシルエットではあるけれど、見た目には短すぎない。動きを妨げないことを第一優先にしたので、インナーショーツはつけず、サイドポケットもなしにしています。
ポケットは本当はつけたかったのですが、軽量化と、このパターンに対してポケットをつけることが難しかった。欲しいという声もあるので、バランスを見ながら開発を続けていけたらと思っています。
八日囿
穿いたときのシルエットがきれいで、なにより穿いている感じがしない。素材のタッチがすごく独特で、とても良いなと思っています。
神谷
この素材は、もともとこのショートパンツのためにつくった生地なんです。昨年の秋に〈DryTouch LONG PANTS〉を先に展開していますが、気になる方がいれば、まずこのショーツで試していただけたらと思います。
70kmのレースを、この二着で
八日囿
今回、実際にこのふたつを着用して大会にも出ていますよね。走ってみてどうでしたか。
神谷
春に参加した70kmのレースは、昼過ぎから夜中まで、着替えずにこのコーディネートで走りました。日中は暑くて汗をかいたけれど、ショーツの貼り付きや股ずれのトラブルもなく。夜は少し寒さを感じたので、レインジャケットがウィンドシェル代わりになってくれました。透湿性が高いので蒸れもなく、風をちゃんと防ぎながら夜間のパートにも対応できた。レインウェアとしてだけでなく、ウィンドシェルとしても頼れる一枚だと思います。
八日囿
ぜひ店頭で実際に羽織って、この軽さと質感を感じてもらいたいですね。
神谷
ウールメッシュも貼り付かないところが好評をいただいていますが、このショーツもそれと合わせて、夏のトレーニングやレースにちょうどいいアイテムになると思っています。
雨を防ぐことと、蒸れないこと。相反するふたつのあいだで二年をかけて選ばれた生地と、貼り付かないために織りから考え直された生地。どちらも、数値ではなく、走っているあいだの身体の感覚を大事にして開発されています。
梅雨のトレイル、夏のレースへ。
まずは一度、袖を通してみてください。

DryFace RAIN JACKET(UNISEX)商品ページ
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