箱根八里を歩く
箱根旧街道、通称「箱根八里」は、江戸時代はじめに整備された五街道のひとつである東海道の一部。東京と京都を結ぶ東海道のうち、小田原宿から三宿宿までの八里(約32km)の区間を指す。古い日本を感じるこの道を2人の旅人が歩いた。
二十四節気では「小暑」の頃。蝉の声が聞こえ始め、梅雨明けが近くなり、夏の気配が近づいてくる。今日は七夕、梅雨の合間の晴れ。初夏の緑が青々と眩しく、トレイルの木陰は初夏を感じる風が吹いていた。
箱根旧街道、通称「箱根八里」は、江戸時代はじめに整備された五街道のひとつである東海道の一部。東京と京都を結ぶ東海道のうち、小田原宿から三宿宿までの八里(約32km)の区間を指す。古い日本を感じるこの道を2人の旅人が歩いた。箱根の玄関口、小田原城下町を出発し、芦ノ湖の湖畔を目指す。
Photo:HERENESS
今回旅をするナタリーとジェイムズは同じ職場で知り合った、たくさんの共通点がある2人。それぞれアクティブな趣味を楽しんでいて、写真を撮ることが好き。同い歳で、偶然にも生まれた月日まで同じ(!)だという。日本の古道を歩きながら、2人はそれぞれに心惹かれた瞬間にシャッターを切っていく。
旅の始まりは、小田原城下町から。関東大震災で甚大な被害を受けたため、大正以前の建造物はほとんど残っていないとされるが、城下町時代の町割や地形、日本では珍しい城郭都市の様相を感じることができる歴史深い街だ。相模湾の漁港をのぞむ水産加工業の街としても栄え、旧かまぼこ通り付近にはその漁師町風情が残っている。
(上)Photo:Nathalie (下)Photo:HERENESS
出発前に寄り道した「籠淸本店」では、作りたての揚げかまぼこをテイクアウトできる。ナタリーは「えだまめ」、ジェイムズは「もろこし」を店前でかぶりつく。軽く腹ごしらえを済ませて、箱根山へ向かった。
Photo:James
写真家・モデルなど多方面で活躍するナタリーは、スウェーデン、ストックホルム出身。日常的に、長い散歩を気分転換の習慣にしている。また休日は自然を求めて、トレッキングや登山を楽しんでいる。標高の高い山がないスウェーデンでは、フラットな道を歩くトレッキングが主流だった。
「スウェーデンでは6歳くらいから、学校でトレッキングの授業があって、森のルールを教えてくれる。迷子になったら、自分の居場所を確認する方法とかね。覚えているのは、迷ったらまずアリの巣を探すっていうこと。アリは木の日陰、南側に必ず巣を作るから、方角がわかるんだって。そういう知識を教えてもらったり、歩きながらキノコやベリーを採ったりする習慣もある、自然との関係性がとても近い環境だったなと思う(ナタリー)」
Photo:James
日本での登山の楽しみは、頂上でみんなで簡単な料理をして、食事をシェアすること。食愛好家らしいナタリーのモチベーションだ。
「みんな違うものを作って、みんなでシェアする。誰かがコーヒーを淹れたりする。私はお米系とかサラダ、ケーキを作ることが多いかな。すごく美味しく感じるよね、身体も疲れているし、山の上の空気ってぜんぜん違うから(ナタリー)」
Photo:HERENESS
箱根山を抜けて、旧街道の石畳まで辿り着いた2人。江戸時代に整備された石畳が現存している『白水坂』は、より当時の面影が感じられ、旅人たちの想いが偲ばれる。石畳が歩きづらいのは、江戸への進軍を阻むため、敢えてでこぼこにしたかららしい。
Photo:Nathalie
ベルリンに住んでいたジェイムズは、5年前に東京へ。コーヒーショップでバリスタを経て、現在はブランディングの仕事をしている。普段は生粋の自転車乗り。通勤と週末の遠出で、1週間トータル150km以上は走っているという。
「長い旅も好きだね。ツーリングだったら、昨年は東京から佐渡島へ行ったよ。ヨーロッパだと、ベルリンからコペンハーゲン、ベルリンからアルプスの山々を抜けてベニス。それぞれ一週間くらいの旅だった。どれだけ自分の身体だけで遠いところまでいけるか。ヨーロッパでは1日で3カ国を通過したことがあって......それが僕の身体と自転車だけで達成できたっていうことがすごく嬉しかったし、満足感を得られたかな(ジェイムズ)」
Photo:Nathalie
「自分の身体を使ってたどり着くって、昔の人になったみたいだよね(ナタリー)」
「そうだね。車だと駐車場を探したり、ガソリンを入れたりって色々考えないといけないけど、自転車があればどこへでも行ける。身軽で自由、マイペースな感じがいいんだ。あとは食事との関係もおもしろいってふと思ったことがある。さっきナタリーも言ってたけど、まず料理が美味しくなるし、食事を摂ることが自分のエネルギーになっていることをすごく実感する。街ではあんまり意識しないけど、ツーリングするときは、このご飯が身体を動かす栄養なんだって感じる(ジェイムズ)」
Photo:HERENESS
七曲がりを過ぎて峠を抜けるまであと少し。途中、立ち寄ったのは老舗の茶店『甘酒茶屋』。400年以上続くこの店は、今も昔もハイカーの身体を癒し休める場所。冷たい甘酒と力餅で休息をとる。Photo:Nathalie
ナタリーとジェイムズが着用している『DRY WOOL T-SHIRT(UNISEX)』は、HERENESSの新製品。2人に着心地を聞くと「よく乾く!」と口を揃える。
「今日は暑いから、すぐに汗だくになったんだけど、乾くのがとても早いね! 普段着としても着れるデザインなのもいい。服を選ぶときに見るのは、まずはデザイン。シンプルでベーシックなデザインが好き。その次に、生地や機能性。あとは自分の身体にフィットしているかどうかかな。ロングライドの自転車の旅だと荷物を最小限にしたいから、着替えもTシャツは2、3枚だけしか持たない。そういう意味でも、ウールは長く着続けられるからいいね(ジェイムズ)」
「乾くし軽いね。今日みたいに長く歩くのにはすごくいい。撮影の時は黒っぽい服が多くて、あとは動きやすさが大事かな。丈夫そうだし、旅とか出張にもいいかもね(ナタリー)」
『DRY WOOL T-SHIRT(UNISEX)』の最大の特徴は、心地よく長く着続けられること。匂いを気にせず、旅先でも長時間、快適に着続けることができる。そして丈夫だから何回でも繰り返し、長く着続けられる。肌触りのよさ、調温機能と防臭機能を備えた天然繊維のウールと、速乾性と耐久性を備えたポリエステルの混紡が、2つの意味でのLONGを叶えている。
Photo:HERENESS
江戸時代初期に植えられた樹齢300年余の杉が残っている杉並木
『箱根宿の杉並木』を通過すると、目的地の芦ノ湖が見えてきた。湖の北側まで足を伸ばせば湖畔は穏やかで、釣り人が静かに糸を垂らしていた。
Photo:Nathalie
自分の足でここまで来れたという実感や、車では辿り着けない風景。時間はかかるかもしれないけれど、そんな喜びを得られるのがロングハイクの魅力。ランニングや登山、サイクリングにも共通することだ。HERENESSのウェアは、長い旅の喜びや好奇心に寄り添うものであり続けたい。
さあ、もうすぐ夏がやってくる。次の旅はどこへ行く?
Photo:James
モデル着用アイテム
James (178cm)
トップス:DRY WOOL T-SHIRT(UNISEX) CAMEL BROWN / Lサイズ
ボトムス:SUGARCANE LONG PANTS(MEN) BLACK / Mサイズ
Nathalie (167cm)
トップス:DRY WOOL T-SHIRT(UNISEX) HEATHER GRAY / Mサイズ
ボトムス:SUGARCANE LONG PANTS(WOMEN) OLIVE GREEN / Lサイズ
ハット:MODERATE HAT NAVY / GRAY 1サイズ