ランニングを通した出会いで 今の自分はある MIZUKI KATSUMATA
薬剤師として忙しい日々を過ごしながら、ランニングコミュニティ〈LOL RUN CREW〉を主催する勝俣水稀さん。
〈体を動かすことの喜びを知る人〉を紹介するHERENESS MEMBERS。
第5回は、ランニングコミュニティ〈LOL RUN CREW〉を主催する勝俣水稀さん。
薬剤師として忙しい日々を過ごしながら、ランニングコミュニティ〈LOL RUN CREW〉を立ち上げた勝俣水稀さん。走り始めたきっかけは大学時代に参加した名古屋ウィメンズマラソンだった。
ゆっくり走ってもいいんだ
「フルマラソンを一生に一回は走ってみたいよね、っていう気持ちはどっかにあって。でも周りにそんな子もいないし、特に自分から何か行動を起こそうってわけでもなかった。そんな時に名古屋ウィメンズマラソンを目指すトレーニング企画に声をかけてもらって、これチャンスだなって」
参加したプログラムは、ランニング初心者が中心。通えば徐々に距離を走れるようになるトレーニングは彼女にとって新鮮だった。それまで走ったことのある最長距離は5kmだったけれど、自然に10kmを走れるようになっていた。
「きついんだろう、無理だろって思ってたんですけど、みんなでゆっくり楽しく、話をしながら走る、そういったコンテンツがあった。ゆっくり走って良いんだって、ガチガチな部活のイメージから変わっていった。ゆっくりみんなで走って、気づいたら10km走れたって。走ることはきついというのはいわゆる偏見だったのかなって、その時思いました」
レース本番は当然苦しさもあったものの、それを大きく上回る喜びや驚きがあった。
「自分の中で30kmまでは絶対止まらないでいこうって決めてました。その30km地点を越えてストレッチで止まった時に、全然知らない沿道の応援の方が(筋肉の冷却)スプレーを貸してくれたんですよ。ほんと泣きそうになっちゃって。何でこんな知らない人なのに!って。走り終わった後、確かにきつかったってのもあるんですけど、やっぱり楽しかったっていう気持ちの方がすごく強くって、それをきっかけでランニングを続けるようになりました」
ランニングを通した出会いで、今の自分はある
勝俣さんにとって、ランニングは生活の一部となった。それだけでなく2019年には仲間とランニングコミュニティを立ち上げるまでになる。ただ、医療系のメンバーも多く、時間がまちまちで一般のランニングコミュニティのように、毎日毎週この時間といったルーティンを組むのが難しかったそう。
「だったらその時来ることができる子たちが主体になって、時間や場所を決める。今回はここで走ろうねって。ただ走るだけではなくて、ランプラスαでいろいろ企画したりしてきました」
そうした企画が立ち上がっていく中で、スキンケアブランド〈ロクシタン〉が取り組んでいる視覚障がい者支援プロジェクトとのコラボレーションなど、社会課題に取り組むプログラムも実現できた。
「街の歩道にある視覚障がい者用の点字ブロックをみながら、追いかけながら走るっていう企画をさせていただいて。東京に点字ブロックがこんなにあって、でもこういうところ剥がれちゃってるよねとか、そうした問題にも気づけたり。そのあとは〈ロクシタン〉の製品に必ずある点字を実際にみんなで読んでみたり。いろんな気づきになりました」
コロナの影響もあり、コミュニティとしての活動には自ずと限界もある。その中でも、工夫しながら仲間との繋がりやモチベーション維持を試みている。
「朝、zoom上で集まって、各々走って、またオンラインで集まるなんてこともしてみました。一緒にコミュニティを始めたリサという子が今はシンガポールにいるんですけど、彼女とインスタライブでつなぎながら走って、つなぎっぱなして、今どこ走ってんの?って。それをメンバーもみながら一緒に走ったり。
あなたにとってランニングとは?という質問を受けたことがあって、〈コミュニケーション〉っていうのがパッと出てきた。スポーツとしてのランニングもすごく好きなんですけど、私としてはそういうコミュニケーションとしてランニングを使ってるなって。ランニングを通しての出会いで今の自分があるなって思います」
勝俣水稀 身長165cm
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